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産学連携(東京大学、大林組、三菱商事(株))による建設産業の課題解決に向けた共同研究プロジェクトについて

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 タケ・サイト株式会社は今般、東京大学大林組三菱商事株式会社とコンクリートスラッジ (※1) を再資源化した再生低炭素素材の社会実装に向けた共同研究開発プロジェクトを実施することに合意致しました。

 国内の建設現場において打設されずに余った無駄コン(※2 残コン・戻りコンの総称)は、大規模な循環型利活用ができておらず、中間処理後に産業廃棄物「コンクリートスラッジ」として埋め立て処分されています。

 本プロジェクトは、コンクリートスラッジに大気中の二酸化炭素を吸着・固定化、粉砕して製造する再生低炭素素材の量産化、およびセメント・炭酸カルシウム代替原料としての再利用を通じたサーキュラーエコノミー、カーボンニュートラル化実現への貢献を目的としています。

 低炭素素材の大規模な社会実装実現を通じ、以下二つの建設産業の構造的な課題である産業廃棄物の廃棄料・処理費用の削減、並びに二酸化炭素排出量の削減が期待されており、本プロジェクトではその実証、インパクトの最大化に向けて研究開発を進めて参ります。

粉末タケサイトの製造プロセス

1 . 産業廃棄物の廃棄料・処理費用の削減

国内の 無駄コン発生量(※3) は年間およそ160万m3と試算されており、国内最大級のダム1基の打設総量に相当する数量の大部分が埋立処分されています。更に、 当該無駄コンの産廃処理費用(※4) は200億円程度と推定され、最終処分場の残余年数問題も顕在化する中、将来的に更なる処分費用の高騰が想定されています。無駄コンの循環型利活用を通じ、廃棄量・処理費用双方の削減効果の最大化に取り組んで参ります。

2 . 二酸化炭素排出量の削減

国内の無駄コン排出量見合いのコンクリートスラッジ全量を低炭素素材として再資源化し、大気中の二酸化炭素を吸着・固定化することによる削減効果、及びセメント代替として再利用することによる抑制効果を合算した場合、年間約10-15万トンの二酸化炭素排出量削減に寄与します。大規模な社会実装実現に向けて、パートナー企業様と共同にて生コンクリートやコンクリート製品、地盤改良材等の用途開発に取り組んで参ります。

タケサイトが目指す新たな循環モデル

 研究の進捗は、タケ・サイト株式会社公式WEBサイト内にて、逐次公開していく予定です。

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※1 :   回収した生コンからリサイクル可能な骨材(砂・砂利)を除き脱水した残渣。主に管理型廃棄物として埋立処分されている。

※2 :  「残コン」は、建設現場でアジテータ車に残った生コンを指す。「戻りコン」は、アジテータ車から荷下ろしされず工場へ戻されるコンクリートを指す。これら建設現場で不使用となったコンクリートを総称して「無駄コン」と呼ぶ。

※3 : 東京地区生コンクリート協同組合 無駄コンゼロ計画における試算値を参照。

※4 :   生コンクリートメーカーのヒアリング情報に基づく推定値。(三菱商事建設資材事業部調べ)

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